Romantic love
それからそらくんは、一旦諦めて家で寝たそうだ。

昼過ぎに起きてから、また試しに玄関に行ったら、もう空間すら繋がってなくて、普通の状態に戻っていたらしい。

「んで、しょうがないから、うさぎちゃんに電話しようと思ったの」

「あ、そうだよ。ケータイ教えたよね」

「母さんがね、俺のスウェット洗濯しちゃって、ポケットの中にあったメモ、ぐっちゃぐちゃ」

「うわ、それは仕方ないね」

まさかあのメモが、そんな末路を迎えていたとは。

「でもね、俺思ったの。また夜になったらワンチャン繋がるんじゃね?って」

「ああ、それ私も考えてた」

「でしょ?だから夜まで待ってみて、もし繋がんなかったら、明日もう普通に、うさぎちゃんちに歩いて行こうって思ってた」

「そしたら、地震起きたんだ?」

「そそ。布団入ってたんだけど、飛び起きたよね。早く玄関行かなきゃって部屋から出たら、もううさぎちゃんちだったけど」

そっか、ちゃんと電話しようとか、会いに行こうとか、思っててくれたんだ……。

話を全部聞いたおかげで、朝からずっと続いてたモヤモヤが、すっかり吹き飛んだ。
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