Romantic love
「……あのさ、俺ら昨日会ったばっかりで、お互いのことなんて、なんにも知らないじゃん?」

「うん」

「だから、すごい変な話かもしんないけどさ」

「うん」

「…………俺、うさぎちゃんのこと、好きになっちゃったんだよね」

そらくんは、まっすぐに私を見つめて言った。

吸い込まれそうなくらい黒い瞳に、なんだかクラクラした。

まるで心臓を鷲掴みにされたみたいに、胸がきゅうっとなった。


……うん、やっぱりそうだよね。

どうしても会いたい理由なんて『好き』以外にない。

本当はなんとなくわかってた。

でも。

もしかしたら、二度と会えないかもしれなかったから。

好きって気持ちを自分で認めちゃったら、もう会えないなんて辛過ぎるもの。


「…………そっか」

「え?リアクションそんだけ?俺すげー頑張って言ったのに」

そらくんが驚いた顔で言った。

「…………私の気持ち、ちゃんと言った方がいい?」

「そりゃあね」

「どうしても?」

「うーん……じゃあ、俺が訊くから答えてよ」

「……うん」

私が頷くと、そらくんはまた真面目な顔で、こちらをまっすぐ見つめた。

心拍数が一気に上がった。

「……うさぎちゃんは俺のこと、えーっと、1好き。2好きじゃない。3さすがにまだよくわかんない。あとは、あ、4私彼氏いるんでムリ。……この4つの内、どれ?」

「えっ……」

「番号でいいから、ちゃんと答えて?」

「えっと……………………いち……かな」

心臓がすごい勢いでバクバクしてるせいで、変な掠れた声しか出なかった。
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