Romantic love
「……ほんと?」

「…………うん」

「…………ねえ、うさぎちゃん。ごめん」

「……なに?」

「やっぱ俺、ちゃんとした言葉で言って欲しいな」

……もう、ドキドキし過ぎて死んじゃいそうだ。

私はスッピンだし、私達は2人共スウェット姿でこたつに入ってて、こたつの上にはみかん3個転がってるし。

こんなの全然ロマンチックじゃないのに。

「…………好きだよ」

口に出したら、その響きの甘ったるさに恥ずかしくなって、顔が熱を持った。

「……ありがと」

そらくんも赤い顔で、ふにゃりと笑って言った。

そらくんのことなんて、何ひとつ知らないのに。

私のことなんて、何ひとつ知らないくせに。

昨日出会ったばかりなのに。

でもたぶん、恋の始まりなんてこんなもの。

人を好きになるのに、時間や理由なんて関係ない。


「まじでね、すっげー会いたかった」

「……うん、私も」

嬉しくて切なくて、胸がきゅうっとなる。


今日は星も降っていない。

だけど、ただの寝間着姿でこたつに入ってる私達は今、なんたら流星群なんかよりもきっと、とびきりロマンチックでドラマチックな夜を過ごしてる。
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