Romantic love
今日も夜中の1時になると、部屋が揺れ始めた。

いつまで続くのかわからないけど、とりあえずこの4日間は、毎晩この現象が起きている。

私はクローゼットの前に立って、彼が現れるのを待った。

地震が苦手だけど、この1時の揺れだけは怖くない。

だって、そらくんに会えるから。

「うさぎちゃんち、ちょーあったかい!」

「あ、今日ずっと暖房つけっぱなしだから。そらくんち、寒いの?」

「うち、寝室に暖房ないんだよね」

「え、そうなの?」

「うん。つっても布団入っちゃえば、そんな寒くないけどね」 

クローゼットから現れたそらくんと一緒に、こたつに入った。

これからお喋りしたり、お菓子やみかんを食べながら、アニメを観たりして過ごす。

ちなみに、そらくんが帰るのは朝の6時。

星が降って私達が出会った日、そらくんは6時くらいに家に戻れた、と言っていた。

翌日試してみようと待っていたら、6時にやっぱり部屋が揺れて、そらくんは家に帰ったのだった。

うちのクローゼットとそらくんの家のどこかが繋がって通れる状態を、私達は「ゲート」と呼ぶことにした。

ゲートが開くのは、夜中の1時と朝6時の2回だけ。

部屋が揺れてゲートが開く。

1度開いたゲートを通れるのは1度だけ。

そらくんが1度通ったら、すぐにゲートは閉じてしまうみたい。

今わかってるのはこんな所だ。

そらくんと同じように、私がゲートを通れるのかは、まだ試してないからわからない。
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