淡い光
そしてそれを聞いた私自身も伝えなければいけないような気がしたのは確かな事で。
私の異様な雰囲気に母も真剣な顔になって向かい合うように座った。
職場からの陰湿な嫌がらせや、自殺をしたいと何度も思っていた事、強いストレスによる体調の変化、
今までずっと言えなかった事を全て打ち明けると辛かったねと、頑張ったねと、言ってくれてありがとうと涙を流しながら聞いてくれた。
そして毎日必ず見るあの夢の話も。
母は何かを思ったようで私が話し終わると涙ながらに話し出した。
「そろそろ言わなければと思っていたんだけど、さやかは夢の中できっと会っていたのね」
「あの男の人を知ってるの?」
「実はね、さやかともう一人、男の子が生まれるはずだったの。
さやかがお腹の中にいる時、そこにはもう一人男の子が居たのよ、双子だった。
本当ならあなたのお兄ちゃんになるはずだったのだけど死産だったから、大人になるまでこの事は伏せる事にしたの、黙っていて本当にごめんなさい」