淡い光
聞かされる驚くべき事実に私は小さく相槌を打つ事しか出来ず。
開いた口が塞がらないと言うのはこう言う事を言うのだろう。
そう思えば全てが繋がる。
彼を初めに見た時懐かしさを感じたのも、伝わる優しくて心地の良い雰囲気も、名前を知っていた事も、彼がずっと前に会っていたと言った事も。
あの人は私の兄だった、ずっと私の傍に居てくれていた。
しかし私は未だ解けない一つの謎があった。
それは、準備をした方が良いと言う彼からの言葉。
一体何を準備すれば良いのだろうか。
「お母さん、私をここまでずっと一人で育てて来てくれたけど、きっと今まで大変な思いをさせた事もあったと思う。だからありがとうね、私お母さんに感謝しているし、とっても大好きだよ」
「やめてよそんなお別れみたいな言葉。当たり前じゃない、あなたは私の大切な娘なのよ」
急にこの言葉だけは言っておかなければならないような気がして、無意識にそんな事を言っていた。