淡い光
死人が生きている者に死を予言する事は禁じられているそうで、夢ではあのような言い方でしか表現が出来なかったと、後に言われた。
私はもう此の世の者では無いけれど兄である蒼が傍に居る為、とても幸せだ。
生きていた時よりも心は明るくとても楽観的になったし、今までで一番の幸福感に満たされている。
悔いはない、蒼と過ごせるこの幸せな時間がいつまでも続く事を祈っている。
もしかしたら私が心のどこかで願っていた本当の幸せはこれだったのかも知れない。
眩しい陽の光に包まれながら私たちは顔を見合わせ小さく微笑みを浮かべた。
〜淡い光【完】〜