淡い光
「そうなの?私ね貴方を見て懐かしさを感じたのだけれど、傍に居てくれていたからだったのね」
手をそっと握る彼の掌はとても冷たくて、そこで私は初めて彼が此の世の者では無いのだと理解した。
私の返答に彼は首を横に振る。
「傍に居たからじゃ無いよ、僕たちはもっとずっと前に出会って居たんだからね」
「どういう事…?」
そして肩をぎゅっと掴みながら私の名を呼んだ。掴む手から伝わる不安と少しばかりの緊張感。
「気を付けて、無理はしちゃダメだよ」
震えた声を宥めるように彼の腕に私は手を優しく乗せた。