“愛”の色は、何色ですか?


ここに帰ってきてから、
ずっと私の事を気に掛けてくれて・・

お仕事の合間に私の部屋に来てくれていたけど・・・


サトシお兄ちゃんも私と同じ様に・・

現実じゃないような現実にずっと戸惑って・・それが声を通して私に伝わっていた。



「さっき・・・
見かけない人が子供達と遊んでて。

ヨレヨレのスーツ着て、
寝ぐせもついてて、

見るからに怪しそうだったから声掛けたんだ。

そしたら警察の人だって・・
“真田”って名前の刑事さんだった。」


「真田さん・・。
うん、私も知ってる人だよ。」


「“ナツコを恨んでる人物に心当たりはあるか?”って聞かれたよ・・。

だから、“ナツコは絶対に人に恨まれるような子じゃない”って答えた。」


「・・・・・・・うん・・・。」




また・・涙が出てしまう。


どうしてなっちゃんが殺されたの?

どうして・・なっちゃんのような子が殺されなきゃいけないの?


なっちゃんは絶対に人を傷つけたり、それで誰かの恨みを買うような事はしない。


私が思っていた事を、サトシお兄ちゃんも同じように思ってくれていた。




右耳の鼓膜に鼻をすする音が響く。


サトシお兄ちゃんの左肩にもたれかかり、
止まらない涙を二人で一緒に流し続けた。
















 












 
 
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