“愛”の色は、何色ですか?


「小西。多分中原先生はシロだ。」


「・・・どうしてですか・・?」


「冷静になって考えてみると、
中原先生が犯人だった場合、

ミハルちゃんがすぐ気付くはずだよ。

子供の時から親代わりに自分を育ててくれた人の“声”だったら、

鉢合わせした時に気付くんじゃない?」


「気が動転してて分からなかったとか・・?」


「勿論その可能性もあるから2点目。

施設の子供達が教えてくれたんだけど、

中原先生は近所の少年野球のコーチもしてるんだってよ。

・・・・・そんな男が、
凶器をわざわざ現場に残してくか?」



俺が答える前に、早苗さんが口を開いた。


「そっか・・。

自分にすぐ結びつきそうな物だったら持ち去るのが普通の心理だよね。

ちょっと調べれば中原が少年野球のコーチだって・・・

普段から金属バットを所持している人間って事なんてすぐ分かるし・・。」


「そういう事。」

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