“愛”の色は、何色ですか?
――――――
“予想通り”と言えばいいのか、
鑑識の長野さん、真田さんと共に見つめるデスクトップの画面に、
“不一致”という単語が表示される。
「なんじゃ期待させよって。
採取キットの無駄遣いは勘弁しろよい。」
ナツコのバイト仲間 山田の指紋と、
犯人の指紋を照合した結果が出て、
長野さんがフゥッと肘をついた。
「すみませんね長さん。
なかなか目星がつかないんで。」
真田さんがコーヒーを一口飲みながら長野さんに謝る。
「手こずってるな真田。
いつもみたいにバシッと“勘”を働かせて、
しっかりやれよい。」
「はい、頑張ります。」
さすがの真田さんも、ベテラン鑑識お爺ちゃんの前ではカタ無しだ。
「こうなったら被害者の周りにいる人間全員の指紋採取して、片っ端から照合させてくかい?」
「人海戦術ですか・・。人手があったらそうしたいんですけどね・・。」