“愛”の色は、何色ですか?


「・・タロウ君は犯行を認めてる・・。」


「だからなんだ?」


「・・・・・・行かせない・・・。」


「なんだと?」


「・・・行っちゃ・・ダメ・・・。」


「・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・。」



「・・・行かないで・・・・・。」



「・・・・・。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「・・・。」



いつものテンションだったら、

“ちょ・・何やってるんですか!?”
と声を出すところだったけど、

俺も静かにその様子を見守る。


真田さんがその前に立ち塞がる早苗さんの体を・・・そっと抱きしめた。


早苗さんは必死に涙をこらえているのか、
ギュッと目を瞑っている。




「早苗、お前はそれでいいんだよ。

お前はお前なりの・・・・
桜の代紋に誓った正義に従えばいい。」


「・・・スッ・・・スッ・・・・。」


「お前に出来ない事を俺がやる。
昔からずっと、そうやってきただろ?」



ゆっくりと早苗さんの体を解放した真田さんの後ろについて、部屋を出た。


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