“愛”の色は、何色ですか?
――――――
もう営業時間はとっくに終わっていたけど、
まだ明かりはついていた。
車を路肩に停め、デリバリー パン屋
“ステファン”の店内へ入る。
「こんばんは。夜分遅くにすみません。」
「はーい!ちょっとお待ち下さい。」
しばらくすると、
このお店を経営する加瀬さんが出てきた。
「ムコウジマ警察署の小西と申します。」
「警察・・?ひょっとして・・
ナツコちゃんの事件の・・?」
「はい、そうです。
夜分遅くにすみません。
・・リョウスケさんは今いますか?」
「リョウスケ・・ですか?
ちょっとお待ち下さい。
リョウスケー!」
加瀬さんの大声に呼ばれて、
息子のリョウスケが現れる。
「あん?なんだよ騒々しい。」
「刑事さんが話があるって。」
「出来れば二人で話したいから外でいいですか?」