“愛”の色は、何色ですか?


「・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・。」



「・・・ミハル・・・・“腕輪”・・
・・・大事・・してた・・。

いつも・・部屋で大事・・
・・腕輪・・触ってた・・・。

僕・・いつも・・・見てた・・・。」


「・・・・・。」



「ミハル・・腕輪・・壊れた・・・。

ミハル・・泣いてた・・・・。
ミハル・・悲しそうだった・・・。


だから・・園長先生・・教えてもらった。

だから・・僕・・作った・・・
・・ミハル・・あげた・・。

ミハル・・・・・また泣いた・・。
でも・・また・・笑ってくれた・・。」


「君が子供から大人へと成長していく中、

いつも君の心の中にはミハルちゃんがいたんだね。」



「・・・ミハル・・ナツコ・・一緒・・
・・家・・出て行った・・。

・・園長先生・・中原先生・・
・・ずっと手・・振ってた・・。

僕も・・窓・・・・隠れて・・
・・ずっと見てた・・・・。


ミハル・・僕に・・・・
手・・振ってくれた・・。

大きく・・大きく・・
手・・・振ってくれた・・。」


「ミハルちゃんはナツコちゃんと二人で生活を始めて、

“ステファン”というパン屋さんで働き始めた。

・・・・君を逮捕した後、園長先生や中原先生に改めて聞き込みして確認したよ。

君が頻繁に施設から脱走するようになったのは、その頃からだったって。」



「・・・・ずっと・・見てた・・・・

・・・ミハル・・・頑張ってた・・。
僕・・・応援・・してた・・・・。」


「それで手紙を書くようになったのかな?」



「・・・ミハル・・家・・いた時・・

・・点字の・・手紙・・
嬉しそう・・読んでた・・・。

机・・手紙・・重なってた・・。


だから・・勉強した・・・。

点字・・ミハル・・
・・・喜ぶ・・・思った・・。

何回も・・点字・・練習した・・。
何回も・・手紙・・届けた・・。


でも・・ナツコ・・見られた・・。

・・郵便受け・・入れた所で・・・
・・僕の事・・馬鹿にしてきた・・。」


< 141 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop