“愛”の色は、何色ですか?


「園長先生!
そんなに不安なら私も一緒に行くよ!!」



高校卒業を控え、

春からの進路を園長先生と相談していた部屋に、なっちゃんの声が響いた。



「ナツコ・・・・。話聞いてたのか?」


「ねぇ園長先生!

私もミハルと一緒に出て行くっていうのはどう?

どこかアパート借りて、
そこに二人で一緒に住めば、

ミハルの補助が出来るし、高校だってそこから通えばいいだけだし。」




なっちゃんの提案に最初は驚いた。

そして・・私の障がいにこの子を付き合わせるのは良くない事だと思った。


そう思って最初は反対したけど・・
なっちゃんの決意は私以上に固かった。



「“姉妹”一緒に暮らすのが、
そんなに良くない事?」




この施設に捨てられて・・良かった。


なっちゃんと出会えて、
本当に良かったと心から実感した。



最後は園長先生も納得してくれて、

後日、私達が春から住む“レジデンス古谷”を見つけてきてくれた。


大家さんが園長先生の知り合いだったらしく、

最初の2年だけは家賃を安くしてくれるよう口利きもしてくれた。













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