“愛”の色は、何色ですか?
院内を進むと、
ベンチに座っている早苗さんを発見した。
そしてその隣には、視覚障がい者がよく手にしている白い杖を持った・・・・
「いましたよ真田さん。
あれが恐らく永井ミハル・・
・・・・真田さん?」
「・・・・・・・・・・・・。」
隣を歩いていたはずの真田さんがいない。
後ろを振り返ると、まさに“立ち尽くす”という表現がピッタリなほど、
ポケットに手を突っ込んだまま、
その場に硬直していた。
「どうしたんですか?」
「か・・・・・可愛い・・・・。」
ズルッと転びそうになるのを我慢してその腕を引っ張る。
相変わらずこの人は・・・。
今まで数々の事件で出会ったどの女性よりもリアクションでかく、
鼻の下が伸びた、無類の女性好きスケベ刑事と一緒に歩を進めた。
「あの子何歳だろうな?」
「被害者の菊池ナツコは20歳だから、
それぐらいの歳じゃないですかね?
かなり若そうだし。」
「このヤマが解決したら、
“歳上だったら何歳までアリか”
って聞いてみる。」
「・・・事件関係者に手出したら、
今度こそ終わりですよ。」