“愛”の色は、何色ですか?
「・・・・・・・・・。」
早苗さんが軽く手を挙げて、
ベンチから立ち上がった。
永井ミハルは俺達の気配を察したのか、
キョロキョロと顔を動かす。
「どうぞ真田様。
ミハルちゃんのお隣へ。」
「お前はホント気が利くな。」
「・・・このスケベ。」
早苗さんが真田さんの肩を軽くパンチするが、
お構いなしにミハルの隣に座ったので、
俺はその前に立った。
「初めましてミハルちゃん。
島田刑事と同じ、
ムコウジマ警察署の真田です。」
「同じく、小西です。」
「真田さんと・・小西さん・・・。」
「少しは落ち着いたかな?」
「・・・はい・・・。」
「どういう状況なのかも説明は受けた?」
「・・・なっちゃん・・・が・・
ホントになっちゃんが・・?」
「残念ながら・・・。」
目はずっと開いた状態で、
止めども無く溢れる涙。
ミハルは真田さんの言葉を聞き、
声を上げながら号泣した。
誰もいない夜間の病院。
悲鳴にも似た彼女の泣き声が廊下にこだまする。
早苗さんもその様子を見て、
真田さんと反対サイドに回り込んで、
ミハルの背中をさすっていた。