“愛”の色は、何色ですか?
「お察しします。」
「・・スッ・・スッ・・ヒック・・・。」
ミハルが落ち着くのを待ちながら、
真田さんはずっと・・・いや“ちゃっかり”と言うべきか・・その右手を握っていた。
「島田刑事に話したと思うけど、
また聞かせてくれないかな?
今日君がお仕事から帰宅した時の状況について。」
「・・・部屋に入ったら・・・なっちゃん以外の・・男の人がいて・・・。」
「男だと分かったのは、
声か何かを聞いたの?」
「息づかいが・・“ハァハァ”ってすごく息を切らしてたみたいで・・それで男の人だと分かりました。」
「それで声を掛けたら、
いきなり体当たりしてきたんだね?」
「その時も・・相手の人は息切れしてて、
ずっと“ハァハァ”って言いながら玄関から出て行きました。」
その後、具体的に男がどこの部分に当たったかを聞くと、真田さんが俺を見た。
「長さんと連絡取って、
こっちに1人寄越して。」
「分かりました。」
「あ、ちゃんと女にしろよ。
・・ミハルちゃん。
あとで女性の警察官がもう1人来るから、
その服についた指紋を採らせてくれるかな。」
「・・はい・・。」