“愛”の色は、何色ですか?
「これも一つの社会福祉だね。
足腰が弱った高齢者、
下半身に障がいを持つ人、
ミハルと同じ、
視覚障がいを持つ人・・
“ちょっと、あそこのパン屋さんでコーヒーでも飲んでいこう”
なんて気軽に出来ない人だって少なからずいる。
加瀬さんご夫婦は、
そんな人達が気軽に焼きたてのパンを食べられるようにとステファンを旗揚げしたんだ。
ミハルは昔から料理に興味持って、
包丁で何度も手を切りながらも積極的にチャレンジしてただろ?
だから“食”に関連した仕事はどうかなってずっと思ってた。
ちょうど加瀬さんも『俺一人の店番は大変だから電話番が欲しい』って言ってたし、
どうかな?」
園長先生の紹介に、私は2つ返事で決めた。
そして加瀬さんご家族も、
私を快く受け入れてくれた。
おじ様がパンを焼いて、
おば様が車、息子さんのリョウスケさんがバイクで、それぞれお客さんの元へ届けて、
私は・・注文を受ける電話番のお仕事を任せて貰えた。