“愛”の色は、何色ですか?
「ミハル~。
『パン・オ・ショコラが入ってない』
って怒られたぞ~。
あとホットコーヒーじゃなくて、
アイスコーヒー!」
「ご・・ごめんなさい・・。」
「まぁそこは俺の華麗なる口説き文句で丸く収めてやったけど、
次から気をつけろよー。」
最初は失敗する事もあったけど、
リョウスケさんは笑いながら、いつも私にパンの種類について優しく教えてくれた。
おば様は、ステファンを利用しているお客様のお話をたくさんしてくれた。
おじ様は、営業時間が終わった後や、
ちょっとした休憩の時に、
パンの焼き方を教えてくれた。
「おはようございます。
ステファンでございます。
・・・・木村のお爺ちゃんでしょ?
ちゃんと耳は聞こえますから。
・・フフッいつもご利用ありがとうございます。
・・・はい、ご注文お伺いします。」
ステファンに就職して、
目が見えない事なんて忘れるぐらい、
楽しくてしょうがない日々が続いた。