“愛”の色は、何色ですか?


―――――― 


「ミハル。ちょっといいかい?」


「はい、おば様。」


「園長先生に頼まれて、さっきまで“まごころの家”に行ってたんだけどね。

食パン送り届けて車に帰ってきたら、ダッシュボードにこれが置いてあったの。」


「・・・紙・・ですか?」


「何も書いてない白紙だったから誰かのイタズラかと思ったら・・・ちょっとここ触ってみて。」


「あ・・・・点字・・。」


「ね?やっぱりこれって点字だよね?

こんなちょっとしかないから気付かなかったよ。

ひょっとしてミハル宛に誰かが届けて欲しかったんだと思って、一応持って帰ってきた。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「何て書いてあるの?」


「・・・“いつも”・・“見て”・・・
だけで終わってます。」


「“いつも見て”?
なんだいそれは?」


「・・あとちょっと読みづらいから・・

ひょっとしたら慣れてない人が打ったのかな・・。」


「なんだかよく分かんないね。

あ、もうこんな時間。
そろそろお昼にしよっか!」




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