“愛”の色は、何色ですか?


いつの頃からか、差出人不明の、
点字の手紙が私の元に届くようになった。


最初はステファンのお店に届いていたんだけど・・・・



「はい、着いたよ。
植木鉢気をつけてね。」


「うん。」


「郵便受け先に見るよ。
・・・・げっ!
今月電気代高い・・・。」


「なっちゃん、スマートフォンいっぱい充電しすぎだよ。」


「いいよねぇミハルはSNS依存症の怖さを知らずに生きられて・・・・あれ?」


「どうしたの?」


「点字?・・の紙が一緒に挟まってた。
ミハル宛かな?」


「誰から?」


「・・・・・名前は書いてない。
そこも点字になってるんじゃないの?
右手出して。」


「・・・・・・・・・・・。」


「・・・何て書いてある?」


「“今日もいっぱい電話取っていたね。
今日もいっぱい笑っていたね。
いつも見ています”・・・・。」


「・・・なにそれ?ラブレター?」


「・・・・実は・・たまにお店にもこういうお手紙が来るんだ。」


「ひょっとして・・ストーカー!?」


「でも・・お手紙貰うだけだから。」


「誰かに後ろ尾けられたりしてない!?」


「みんな、白杖を持つ私の事を物珍しそうに見てると思うから、

視線ならいつも感じてるよ。
なっちゃんの方が分かるんじゃない?」


「あぁ~~~急に怖くなってきた!!!

明日からちょくちょく後ろ振り返りながら行こ!園長先生にも報告しておく!」


「それはやめて。
園長先生に余計な心配掛けたくない。」



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