“愛”の色は、何色ですか?


「ナツ・・ずっと片想いしてる人がいたみたいで、彼氏はいないって言ってました。」


「そっか・・・。」


思わず真田さんを見た。


こういう時は、突拍子も無い所から何かを見つけ出してくれるこの人に頼るしかない。


俺の無言のメッセージを受け取ってくれた真田さんが頷いて、バトンタッチする。


「君たちあれやってる?

・・・あれ・・え~っと出てこない。
なんだっけ小西。」


「・・“あれ”じゃ分かんないっすよ。」


「“ストーリー”がどうのこうのって写真とか見るやつ。

早苗も“映える”とか言いながらやってるやつだよ。」




「インスタですか?」

俺が先に理解する前に、
ナツコの友達が反応してくれた。


「そうそうそれ。みんなやってる?」


「はい・・。」


「ナツコちゃんもやってたかな?」


「やってますよ。
みんなフォローしてますので。」


「ナツコちゃんが投稿する写真に、
毎回コメントする人っていたかな?

あ、“男”でね。」


真田さんの質問に、
みんなが一斉にスマホを見始めた。


・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・



「「「・・・・。」」」


友人たちがハッとした顔をしてお互いを見合わせた。


その表情を俺達が見逃さずに捉えたのは言うまでもない。


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