“愛”の色は、何色ですか?
――――――
「どうぞ。
こちらにお掛けになってお待ち下さい。」
事務室のような部屋に顔を出して、そこで仕事をしていた女性に声を掛けると、
応接室のようなフカフカのソファがある部屋へ案内された。
ミハルの所に直行しようと思っていたけど、
“まずは責任者に挨拶しとこう”という真田さんの提案で、その人を呼んできてもらう。
「お待たせしました。」
「初めまして。
ムコウジマ警察署の真田です。」
「同じく小西です。」
やがて俺達の前に・・・
折り紙,手品,スケッチ,料理・・・
何でも器用にこなしそうな、“園長先生”という言葉がピッタリ似合う初老男性が現れた。
事前に、『ミハルだけでなく、被害者のナツコもこの施設で育った』と早苗さんが調べてくれていた。
この人にとっては“我が子”のような存在だったんだろう。
言うまでもなく、園長先生の表情には“憔悴”が滲み出ていた。