“愛”の色は、何色ですか?


施設を出て、署に戻ろうと車へ移動する。


「一応山田の指紋は長さんに預けて、
犯人の物と照合してもらいますね。」


「その前になんか食ってこうぜ。
腹減ってきた。」


「そう言われてみれば・・
俺も朝から何も食べてないっす。」


「うどんにするか?」


「ですね。いつもの・・・・・・




“ドンッ!!!”




「うぉ!!?」


車まであと数十メートルという所で、
背中から強い衝撃を受けた。


あまりにも不意打ち過ぎたので、
そのまま思いっきり前に倒れ込む。


咄嗟に受け身を取れたけど一体・・!?





「あぁぁああおあ!!!」


「!?」


うつ伏せの状態で顔を後ろに向けると、ぽっちゃりした若い男が奇声を発している。


真田さんも急な事態に虚をつかれたのか、

ポケットに手を突っ込んだままその男を凝視していた。



< 98 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop