“愛”の色は、何色ですか?
施設を出て、署に戻ろうと車へ移動する。
「一応山田の指紋は長さんに預けて、
犯人の物と照合してもらいますね。」
「その前になんか食ってこうぜ。
腹減ってきた。」
「そう言われてみれば・・
俺も朝から何も食べてないっす。」
「うどんにするか?」
「ですね。いつもの・・・・・・
“ドンッ!!!”
「うぉ!!?」
車まであと数十メートルという所で、
背中から強い衝撃を受けた。
あまりにも不意打ち過ぎたので、
そのまま思いっきり前に倒れ込む。
咄嗟に受け身を取れたけど一体・・!?
「あぁぁああおあ!!!」
「!?」
うつ伏せの状態で顔を後ろに向けると、ぽっちゃりした若い男が奇声を発している。
真田さんも急な事態に虚をつかれたのか、
ポケットに手を突っ込んだままその男を凝視していた。