きっともう好きじゃない。


結ばった恋だった。

解いても、解いても、際限がないほど。


ほつれた恋だった。

最後の一糸を引っ張ったら、崩れてしまうほど。


すり減った恋だった。

最初の形なんて、もう思い出せないほど。


すり切れた恋だった。

痛くて熱くて、それでも繋がっていてほしいと願うほど。


守りたかった恋があった。

もう、どうしたって届かないけど包みたいほど。


落とした恋だった。

気付かないでいたら、足裏に血が滲むほど。


真っ直ぐな恋だった。

だからいつも、不明瞭な未来を見据えるほど。


色褪せない恋だった。

思い出になってと泣いても、色鮮やかでいるほど。


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