きっともう好きじゃない。
まおちゃんのこと、好きだ。
彼女がいるってわかっていても、好きでいたいし、好きなことやめられないし。
苦しさもひっくるめて大切だとは言わない。
叶うなら、苦しいところ全部、取り払いたい。
実らない恋なんていくつもある。
癒し方も慰め方も打ち消し方も、たくさんある。
わたしも片っ端から試したよ。
友だちはいないから、薫に手伝ってもらったり、ひとりで気分転換してみたり。
だけど、どれも効かない。
時間が経てばって思ってたこともあったけど、まおちゃんがそばにいるから気持ちは塗り替えられていくばかり。
レバーひとつ、ベクトルひとつ変えたら、まおちゃんへの気持ちが膨らむんじゃなくて縮んでしまえばいいのに。
育てたくない。枯れてほしい。萎れてほしい。
綺麗なままでいたってどうしようもないんだ。
まおちゃんの目を奪えるくらい綺麗になったって、まおちゃんにはもう一等素敵な華がそばにいる。
のっぺらぼうを頭に描いた。
前にまおちゃんに聞いた顔のパーツが降ってきて、のっぺらぼうに表情がついた。
ハルヒさん。
本当の顔は知らない、まおちゃんの彼女。
会いたくないけど、見てみたい。
理由なんてわからない。
一目見たって納得できるわけないし、頭の中にいるハルヒさんのこと、のっぺらぼうって呼べなくなっちゃう。