きっともう好きじゃない。


授業中にも何度か気分を悪くしたけど、結局どの時間も言い出せずに放課後が近くなる。

休み時間のたびに友だちがそばに来てくれたけど、気遣われているのがひしひしと伝わって、申し訳なさでいっぱいになった。


「長く一緒にいるかどうかより気持ちでしょ」


ふと、隣を通りかかった女子が吐いていった。

昨日の3人組みのうちのひとりだ。


マユちゃんのことを言っているのか、このクラスのまおちゃんに告白したという誰かのことを指しているのか、わからないけど。

わたしに向けて言ったんだってことは確かで。


言葉が渦を巻いて、声が耳に反響する。


その理屈をわたしの中で下したとしても、反発することはできる。

幼馴染みだから好きなわけじゃない。

幼馴染みだから、そばにいることが多くて、まおちゃんのことをたくさん知っているから惹かれた。

それを一緒くたにされてしまったら、気持ちが云々とは言えないと思う。


まおちゃんや友だちの目が届かないところで、そんな日々が続いた。

ときには、まおちゃんに告白をしたことがあるという子まで連れてきて。

ユマちゃんはわたしに会いには来なかったけど、まおちゃんにフラれたことで落ち込んでる、と別の人から何度も聞かされた。


< 87 / 137 >

この作品をシェア

pagetop