私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
プロローグ
「チーのその鈍さが、僕を傷つけてるってわからないの?」

彼の、私を責める声。
私が鈍いから、彼の気持ちがわからない。
だから、いつもいつも彼を傷つける。



昨日は大学の友達と一緒にレポートをやってその流れで飲みにいった。
本当にただ、それだけ。

友達が――男だってことを除けば。

「男とふたりなんてなに考えてるの?」

彼の、私を責める声。
昨晩、NYAINがなかなか既読にならなかったことを問い詰められ、その流れで男友達とふたりで飲みにいったと白状させられた。

「でも」

「でも、なに?」

黒縁眼鏡の奥から彼がじっと見つめる。
いい訳はもう聞きたくない、そんな彼の瞳に言いかけた言葉は飲み込んだ。
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