私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
「……ほら、さっさと出勤しますよ」

「うん、出勤する!」

スキップすらしそうな勢いで佑司がドアを開ける。
もしかしてこれから毎日、これをしないと出勤しないんだろうか。
ううっ、ほんとに面倒臭い。

電車かなにかで行くのかと思ったら、地下駐車場に下りて車だった。

「今日からは毎日、車通勤する」

佑司の運転する車の、助手席にちまっと収まる。

「今日からって……。
いままではどうしてたんですか。
そういえば金曜日は、タクシーで帰りましたよね」

「車と電車と半々くらい。
飲んだりしたとき、困るからな」

接待とかあるから、その日は電車だったとか?
けれど佑司が満員電車に揺られているのを想像したら、ちょっとおかしくなった。

「……なーに笑ってんだ?」
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