私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
「俺には特定の、そういうパートナーがいるってアピールしとかないと、迫ってくる女性がいるけど……いいのか」

自慢?
自慢なのか?

「私は別にかまわないですが……」

「チー」

佑司の口から落ちた声は重くて。
びくんと身体が反応してしまう。

「お試し期間とはいえ。
俺が、ほかの女に取られてもいいのか?」

じっと、レンズの向こうから佑司が見つめる。
真夜中の海のような真っ黒い瞳が、怖い。

「わ、私は」

また間違えた。
その自覚がある。
あのときと同じで。

「……よくない、です」

私はいいのだ、佑司にいい人ができてこの関係が解消されても。
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