私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
わかっていたじゃないか、付き合っている人がいるのに他の男とふたりで会うと面倒なことになるって。
でも私にはそれが、どれだけ佑司を傷つけるかなんてわからなくて。

こんなに佑司を――傷つけた。

「……なさい」

「はぁっ?」

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!
私が鈍いからっ、佑司を傷つけてごめんなさい!」

「……チー?」

胸が、苦しい。
刺さったナイフに呼吸を阻害されて、うまく息ができない。

「ごめんなさい、ごめんなさい。
傷つけてごめんなさい。
私が、悪かったからっ。
鈍くてごめんなさい。
傷つけてごめんなさい」

「ちょっ、チー、落ち着けって!」

いきなり、目の前が暗くなった。
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