私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
四苦八苦して鮭を解体し、カニと共に冷凍庫へ押し込んだ。

「鮭は帰ってから俺が捌こうと思ってたのに」

「それでなくてもお疲れの佑司に、そんなことさせるわけにはいかないので」

「チー!」

佑司がいきなり抱きついてきたうえに、盛んに頬ずりしてくる。
遅い時間だから少し伸びた髭が、ざりざり当たって痛い。

「やっぱりチーは優しいなー」

むちゅーっと熱烈にキスされればも、なにも言う気も起きなかった。

「おやすみ、チー」

「おやすみなさい」

佑司に抱きしめられてベッドに入ると、安心できてすぐに眠気が襲ってくる。
いなかった二晩、どうもよく眠れていなかったみたいだ。

出張のせいで先延ばしになった私の告白計画。
もうすでに、気持ちは佑司に伝わっているけれど、ちゃんと言葉にして伝えたい。
次の週末。
ちゃんと好きっていうからいつも以上に喜んでくださいね。
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