私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
「……やっぱりチー、僕のことまだ」

――バシィン!

右手がじんじんする。
私に叩かれた左頬を押さえ、駿の視線は答えを探すようにせわしなく動いていた。

「あんたなんて大っ嫌い!
さいってい!」

気持ち悪くて唇を何度もぐいぐい拭う。
さらには不覚にも駿の息を吸い込んでしまったおかげで、吐き気がする。

「私が傷つけたからってあんたの幸せなんか祈ってた自分が嫌になる。
あんたはあの当時だっていまだって、最低なのに。
もう二度と近づかないで。
今日のことを訴えないのは、過去の莫迦な自分への戒めだから」

自分の計算外れの行動を私が取ったもんだから、バグを起こして停止している駿を見捨てて店に戻る。

「京屋ぶちょ……う」

「あ、大隅(おおすみ)さん」
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