私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
「ちょうどあんたと入れ違いで東京出張」

「そうなん」

いなくてちょうどよかったかも。
こんなふうに帰ってきたら、なんで帰ってきたってうるさいだろうから。

「それでなんで、こんな急に帰ってきたん?
今日は泊まっていくと?
その大荷物はなんね?」

矢継ぎ早に訊いてきながらも、母は私に麦茶を入れてくれた。

「休み取ったけん、しばらく泊まるわ」

「そうね」

もう関心はないみたいで、母はそれ以上なにも訊いてこなくなった。
そういうところがいまは助かる。

「姉ちゃん、元気しとーと?
唯花(ゆいか)ちゃんは三つだっけ?」

「唯花はもうすぐ四つよ。
この春から幼稚園通っちょるわ」
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