私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
「へー、そうなん」

出してくれたおまんじゅうを食べながらどうでもいい話をする。
なんだかそういうのがほっとした。

晩ごはんは回転寿司だけど食べに連れていってくれた。
父さんには内緒よって。

今日はちゃんと布団に入ったけれど眠れない。

――ピコン。

携帯が通知音を立て、慌てて画面を確認する。

「……だよね」

【今週のクーポン!
見せるだけで新製品がお得に食べられるチャンス!】

通知音が鳴るたびに、もしかしたら、きっとそうかもと期待して見るも、毎回これ。
いっそ、企業アカウント全部消してしまいたいくらいだ。

「やっぱり私なんて、嫌いになったんだ……」

こぼれ落ちる涙はいくら拭っても止まらなかった。
< 283 / 312 >

この作品をシェア

pagetop