私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
「そんなに怒って腹でも空いてるのか?
カフェテリア行ってなんか食うか」

……はぁーっ。

私の深いため息の意味に、京屋部長は気づかない。
気づくはずもない。
そういう人だから。

「……もーいいです。
それで。
さっきからなにが気にくわないんですか」

この人と言葉が通じないなんていつものこと。
この半月で諦めがついた。

「開発部が出してきたこれさー。
なんか意外性がないだろ?」

「はぁ」

京屋部長の前にはずらっと、いま食べたスイーツの空容器が並んでいる。
こんなに食べて虫歯とか糖尿病とか肥満とか気になるレベルだが……この人にとってはもしかして、些細な問題なのかもしれない。

「なんかさー、これ、いいんだけどダメなんだよ」
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