私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
そう言ってまたぱくり。
さらには新しいのに手を伸ばしている。
あんたがいくつそれを食べようとかまわないが、いいのかダメなのかはっきりしてくれ。

京屋部長がさっきからぱくぱく食べているのは、今度コンビニの『ニャーソン』から依頼を受け、PBブランドの『おうちでカフェ』から出す新商品のことだ。
夏らしい洋菓子、ニャンスタ映えしそうな感じでというコンセプト。
それで開発部が出してきたのは、レモンムースの上にクラッシュしたレモンゼリーをのせたお菓子。

「見た目もそんなに悪くない。
確かに、ニャンスタ映えしそうだし?
でも地味。
味も想像できる」

「はぁ」

いや、見た目も爽やかだし、みんなで試食してみた結果、ニャーソンさんには提案してみようって話じゃなかったっけ?
あなたもそれについてなにも言わなかったですよね?
それをいまさら蒸し返すなんて。

「もっとさ、こう。
……こう。
ほら、うちの会社のコンセプトにあう感じで」
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