私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
「俺の収入?
んー、だいたい」

佑司が口にした額は、私の年収を2倍してさらにゼロを足したくらいあった。

「え、そんなにあるんですか」

「そ。
だからチーは今すぐ会社を辞めたっていい。
……おっと!」

思わず出た手は、軽くよけられた。
そういうのはちょっとムカつく。

「いや、でも、やっぱり……」

いくら彼にお金があろうと居候させてもらうわけだし、タダだとか居心地が悪い。

「ガタガタ言わない!
俺がそーしたいんだから、いいの」

「はぁ……」

いいのか?
いや、よくない。
が、それ以上言うと機嫌を損ねそうだから、やめた。

「わかりました……」

「ん、じゃあ今日からよろしく、チー」

眼鏡の奥の目を細め、にっこりと佑司が笑う。

「よろしくお願いします……」

なんか疲れた。
もう疲れた。

だから昨日今日のことを後悔することがあったって、疲れていたから仕方ないと諦めることにした。
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