俺、鈴木かずやは生徒と不倫しています。
無事、村上を駅まで送ると俺はホテルへ戻った。


お風呂に入るなり、とんでもないことに気が付いた。


「あ、パジャマ忘れた」



恥ずかしいが仕方なく備え付けの浴衣を着ることにした。


まりなに預けていたものを取りに行こうと部屋を出た。


まりなの部屋の前に行くと、物音ひとつ聞こえない。

「あいつ、寝てんのか?」




と帰ろうとした時、奥の部屋から笑い声が聞こえる。



その部屋の前に行くと、そこはななせの部屋だった。






そして、かすかにまりなの声も聞こえる。



トントンとノックするとすっぴんのななせが出てきた。





部屋の奥でこっちを見ているななせ。



俺はななせの部屋に入ると、冗談でななせの入浴後の脱衣所の中をのぞく。



「やだ、やめてよ」


と嫌がられ、それを見るのが楽しくて続いて、ななせのベットにダイブした。




それを隣で爆笑しているまりな。



チャームポイントの八重歯が笑うと見える。




しばらくすると、ななせはかかってきた電話を取り、長電話を始めた。



取り残されたまりなは寂しそうな顔をしていた。



「ん?どうした。入りたいのか?」



なんで、俺、生徒にこんなこと聞いてんだろと思っていると


「ダメ?」



と目をウルウルさせて聞いてくるまりなにダメだとは言えなかった。



「いいよ」



と言うと、まりなは俺の隣に入ってきた。




つい癖で、腕枕もちゃっかりしてしまっていた。




まりなの体がちょんと当たる。



その、当たる部分は熱を持つ。




二人とも、お風呂と密着で布団の中は熱くなっていた。




潜っていたまりなが顔を出し



「あったかいね」



と上目遣いで言う。




この角度はさすがに反則だ。


そのお返しにまりなの足に絡ませてみる。





まりなはちょっとびくってなって恥ずかしくなったのか




再び、布団の中に潜ってしまった。




その、行動がまるで3歳児みたいで、健気でかわいくて仕方がなかった。

これ以上は危険だと思い俺は




「もう、眠いから寝るわ」



と言ってベットから立ち上がった。




まりなはなんで?という顔をしていたが何も言わなかった。





そういえば…何か忘れているような…



と思っていると急に気が付く。




まりなに預かってもらったままだった。





まりなを呼び出し俺たちはまりなの部屋に向かった。





部屋の前に着くと



「待ってて」



と言われ待っていようかと思ったが







さっきのまりなの顔が頭から離れない。

俺はまりなを追いかけて部屋の中に入っていった。
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