俺、鈴木かずやは生徒と不倫しています。
朝、



「お父ちゃん、起きて」



と呼ぶ声にゆっくりと瞼を開ける。


「早く、起きないと遅刻しちゃうよ」




と言って俺の部屋を出ていく。


時計を見ると、家を出る10分前。



急いで着替えると、ちゃんと朝時間がなくても食べられるようにパンは焼かれ、今日はジャムまで塗ってある。




「今日は遅いの?」



とまた、寂しそうな顔で聞く京香。

もちろん、まりなのこともあるが、正直、俺の中で優先順位をつけるとするならば、京香が一番だろう。


「いや、今日は早く帰ってくるよ。」



そう言うと、京香はにこっと笑って珍しく玄関まで見送りに来てくれた。



「行ってらっしゃい」


と言う京香。



「おう」


と答えると、京香は、新婚みたいに俺のほっぺにチュッとした。


俺は顔を手で隠す。



恥ずかしいからだ。



玄関を出て急いで学校へと出勤した。
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