俺、鈴木かずやは生徒と不倫しています。
最近、日が暮れるのが早くなってきた。

職員室からは野球部が夜遅くまで練習している姿を見ながら、俺は

今日も帰りは夜中になりそうと京香にメールを送る。


そう、俺は今、中間テストの作成に追われている。

出題する範囲、提出物、作成するのに毎度、ヒーヒー言いながらやっている。



コーヒーを飲みながらやっていると、廊下を通ったのは、まりなだ。



まりなの姿を一瞬だけ見ただけで、俺はなんだか頑張れる気がした。



席に戻ると、思った以上に進んだ。
まりなって本当にすごいんだなっと思った。



いつの間にか、グラウンドの電気は消えて、知らない間に周りの先生たちも帰ってしまっていた。


携帯のロック画面の時計はもう22時を指していた。



「あー帰るのめんどくさーい」

と言いながら、のびをする。



こんな時、まりなから連絡来ないかなっとふと思った。



でも、来るはずないかと思い、携帯を閉じた。



すると、ピコんっと通知音が鳴る。



まさかとおもって携帯を開くと


まりな


の文字。



「嘘だろ…」



俺は驚きと嬉しさで思わずまりなに電話してしまった。



「どうしたの?」


と不思議そうに聞くまりな。




「聞いてくれ!さっき、まりなから連絡来ないかなって思ったらほんとに来たんだよ!これって奇跡。運命だと思わないか?」



俺はいい年して一体何にはしゃいでいるんだとは思ったが
まりなは


「え!!ほんとだあー。私達本当に運命だね」


って嬉しそうな声が聞こえる。
まりなも嬉しいって笑顔で言っている姿が電話越しでもわかる。



それから、俺たちは、俺が帰るまでの間電話をしていた。



「こんな電話してたら、親御さん心配しないのか?」



「あー、うち、両親いないんだ。」



「ん?どういうこと」


「二人とも、生きてはいるんだけど、お母さんは海外で通訳として行ってるし、お父さんは消防士だからめったに帰ってこないから。っていう意味」



俺はこの時、なんでいつもさみしい目を顔をするのかの理由が分かった気がした。
< 45 / 66 >

この作品をシェア

pagetop