俺、鈴木かずやは生徒と不倫しています。
俺は恥ずかしながらも



「一緒の空間にいるのにお前のそばにいることが出来ないなんて無理だ」




俺の言葉に



「せんせい…」




とまりなの目はウルウルとしていた。





まりなは俺の耳元に顔を近づけて



「先生、好きになってもいいかな?」




と囁いた。




俺は正直、嬉しかった。
きっと、だれだって人に好きと言われたら嬉しいに決まっている。

でも、まりなの好きはきっとそれ以上のものだった。
まりなが勇気を振り絞って言ってくれたことは間違いないだろう。

俺もまりなのことが好きで仕方ない。
認めたくはないが、毎日考えるのはまりなのことばかりだ

でも…


これで、俺が好きと言ってしまったら、


もう、引き返すことなんてできないだろう
俺たちは知らない間に、そんな危険な領域に足を踏み入れていた。



よく考えろ。俺。
俺のことぉ心配する前に


まりなのこと。
京香のことを考えろ。



俺は
「ごめん。」


という答えを出した。




まりなは俺の予想外すぎる言葉に驚いて
俺の胸から離れた。



この時、急に寂しくなった。

本当はこれで終わりにするつもりだった。

だけど


俺の口は



「俺もお前のこと好きになりそう」




言ってしまった。

一番言ってはいけないことを言ってしまった。

まりなは、また驚いて、でも冷静に


先生の隣に居たい




っと言ってくれた。



こんなにも人に必要とされているということ
俺は素直にうれしかった。


気が付くと


外はもうすっかり雨はやんで雲の間から夕陽が見える。



俺はまりなを家の近くのコンビニまで送ってあげることにした。



「着いたぞ」


と言うとまりなはまだ帰りたくないという顔でこちらを見る。


まりなは



「ちゅーしてくれたら帰る」


とわがままを言いだす。




俺は周りの車にばれないように着ていたジャケットで覆い隠れてキスした。
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