俺、鈴木かずやは生徒と不倫しています。
まずはまりなのことを目で追うのをやめた。

そう考えるといままで、まりなが朝、登校するとき廊下を今か今かとみていた自分は本当に気にかけていたんだと思った。


自分の行動に驚いた。






昼休みになると、珍しく来たのはななせだった。




「おう、どうした。まりなは一緒じゃないんか?」



っと聞くと


「まりなは来たくないって言ってた。喧嘩でもしたの?」




「なんでだよ。カップルでもないのに。あほか」



ななせと弁当を食べたのは久しぶりだった。

ななせは今日、いつもと違った。



なんだか、顔が赤い。


「ん?どうした。ななせ」



っと聞くと


「え?」


っと聞き返してきた。




「なんか、顔、赤いぞ」




っと言うと



「うろさいな~」


っとなんだかご機嫌斜めになってしまった。




ななせはまりなと一緒で分かりやすい人間だ。


ななせは俺のことを好きでいてくれている。
でも、まりなとは違って、直接は言ってこない。

だから、俺とななせはこの楽しい関係がお互いに気に入ってるから、一生まじりあうことはないだろう。





ななせは昼休みのチャイムが鳴ると


「帰るね~」


っと言って生物準備室を出て行った。


まりなとは廊下でもすれ違わないように意識した。


まりながななせとこっちに歩いてきていたら、俺はわざと違う廊下を通っていく。


そうしているうちにそれが自然になって


まりなとのトーク履歴も見なくなって

もちろん、連絡も取らず



知らない間に、まりなのことを目で追うことはなくなっていった。





あっという間に三年生限定の卒業テストの時期になった。
冬の寒さもピークだ。


みんな、マフラーを巻いて登校する。


kの前見た、まりなのマフラー姿にはきゅんとした。


寒くて鼻まで隠してバスを待っている姿はまるでCMの女優のようだった。



あー後ろから抱きしめたいっと思いつつも我慢してその場を通りすぎた。





テスト期間も中盤。
俺はまた、テスト作成に追われていた。




そして、今日の5時間目はよりによって、まりなのクラスの臨時授業だ。



うれしいと思いつつも、憂鬱だった。



俺は、テスト用の資料をもらいに来てほしくて放送でまりなを呼び出した。






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