闇と光  ~信じて~
【麗奈side】


「絶対、絶対信じてるからね!」


横を通り過ぎたカップルがそう言っていた。


「・・・馬鹿馬鹿しい。」


私は、そのカップルに目もくれず通り過ぎる。


信じる。信じて。


その言葉は、嫌いだ。


愛していた人に信じられなくなる。


信じても、信じてもらえない。


それは、本当に苦しいこと。


だから、そうならないためにも私は・・・。


信じる事をやめた。


信じるなんて、馬鹿馬鹿しい。


どうせ、いつか裏切られる。


それを、痛感したから。


そして、私は捨てた。


悲しくなるのも、辛くなるのも感情があるから。


だから、私は感情を捨てた。


感情が無くなると、すごく楽になった。


でも、それと同時に嬉しいことや楽しいことにも何も感じなくなった。


それで、いいの。


私は、傷つかなければそれでいい。


そうでしょう?


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