闇に溺れた天使にキスを。



「少し話しすぎたね」
「えっ…」

「他人にここまで話するの、白野さんが初めて」
「私、が…?」

「そうだよ。
だからそれが何を意味するのか、わかって聞いてる?」


神田くんが何を言いたいのかわからなくて、首を横に振る。


「……そうだよね」

私の反応を見て納得したように話す彼。
少しだけ、彼を纏う空気が変わったような気がした。


「白野さん、こっちおいで」


そして彼は私を自分の元へ来るよう呼ぶ。


お弁当は食べ終えたからいいけれど、問題はそこじゃない。

どうして神田くんに呼ばれたのか。
わからなくて、その場から立ち上がれないでいた私。


「あの…」
「大丈夫。悪いことは何もしないから」


悪いこと、じゃなかったとしても。
何をされるのかわからない。

戸惑いつつも立ち上がり、彼のそばまで行く。

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