闇に溺れた天使にキスを。



「……いい子。
じゃあ俺に背中向けて?」

「背中…」


言われた通り、反転して彼に背中を向ける。
何をされるのかわからなくて、なぜか少しドキドキしていたら。


「……っ」


腰に神田くんの手がまわされ、引き寄せられる。

少し強めに引き寄せられた勢いで、神田くんの膝の上に座る形になってしまう。


「あ、ご、ごめんなさ…」

慌てて立ち上がろうとしたけれど、腰にがっちりと腕までまわされたため、動けなくなる。


「捕まえた」

全身に熱がまわる。

鼓動が速くなり、どうすればいいのかわからなくなってしまう。


そんな私をよそに、彼は少し足を開いて自分の前に私を座らせた。


後ろから抱きしめられ、彼と密着状態。
冷静になろうとしてもなれず、ドキドキしてばかり。

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