闇に溺れた天使にキスを。



「みんな、未央のこと見てかわいいかわいい騒いでるの!
もちろん女子も含めて」

「えぇ!?絶対嘘だ」
「やっぱり気づいてなかったんだ」


気づいてなかったというか、そんなことありえない。

かわいいと騒がれるほど目立ったことはしていないし、友達も少ない私だ。


クラスの女の子でも少し話せる程度の子がほとんどで、私が安心して過ごせるのは本当に沙月ちゃんくらいである。


「だって未央、近づきにくいオーラ放ってるもんなぁ。
私もはじめそう思ってたし」

「そ、そんな……!」


まったくもってそんなつもりはない。
近づきにくいオーラって、どんな感じなんだろうか。


「最初はね、ひとりが好きなのかなって思ってた。
でも違ったんだね、緊張してただけって…」


一年の頃を思い出したのか、沙月ちゃんが笑い出してしまう。

本当に恥ずかしい。

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