闇に溺れた天使にキスを。



一年の最初は友達というか、話せる人もできなかったらどうしようと思い、相当緊張していた。

そのため顔も強張っていて。


沙月ちゃんが話しかけてくれなかったら、私はぼっち決定だったと思う。


「だって、本当に口下手で…」

「うん、それはすぐわかったよ。
あたふたしててかわいいなって」


口下手を褒められるとは思っていなくて、素直に驚いた。


「だから本当はみんな、未央と仲良くなりたいはずだよ?
一年の時もよく羨ましがられてたし、今も結構言われる。みんな仲良くなるタイミング逃してるみたいだね」

ありえないような言葉が、沙月ちゃんからどんどん放たれる。

私と仲良くなりたい…?


「そ、そんなことないよ…!」

「未央と仲良くなれて羨ましいとか、なんならどうやったら仲良くできるかとも聞かれる。確かに未央は攻略が難しいからな」


こ、攻略が難しいって…他に良い言い方はなかったのだろうか。

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