闇に溺れた天使にキスを。
*
放課後は、あっという間にやってきた。
ホームルームが終わり、帰る準備が終わった後。
神田くんの席を見たけれど、そこにはもう彼の姿がなかった。
先に図書室に行ったのかな、と思い私も教室を後にする。
鞄には借りた本が3冊入っており、いつもより少し重い。
1冊は先生オススメのミステリーモノの本で、残り2冊が恋愛モノだった。
どれも面白く、先生オススメの本はシリーズになっているため、今日は残りのシリーズ分を借りようかと思っていた。
考え事をしていたため、4階にある図書室にはすぐ着いた。
もうひとつ上の階に行けば最上階であり、そこには昨日神田くんとお昼を食べた空き教室がある。
「失礼します」
ゆっくりと図書室のドアを開け、中に入れば静かな空間がそこにはあった。